奈良市西笹鉾町
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正坐ができた(2)

 

正坐ができないと嘆いていらっしゃる方がとても多いように思います。 膝(ひざ)のズレを正せば、そんな方も坐れるようになります。ただし、 その施術には少しばかり慣れがいります。見た目には、 膝をほんの一振りするだけですけれど。

クチナシ

膝のズレ

1メートルほどのヒモを持ってきてください。メジャーでもかまいません。仰むけに寝て、 端をそけい部の真ん中にあて、次に中ほどを膝のお皿の真ん中に当てます。 そうして端をひっぱります。するとヒモのもう片方の端が足首のところに届きます。 その時ヒモの端が足首のどこにくるか、つまり真ん中に来るか、それとも外側に来るか、 内側に来るか、これをよく見ます。

ほぼ真ん中にくればいいのですけれど、外側に来たり内側に来たりすることが珍しくありません。 そんな時は、膝が曲がっています。内側にずれる時は膝が外に折れ曲がっていますし、 外側にずれる時は膝が内に折れ曲がっています。膝にズレがあるわけです。

からだの重みがズンとかかる膝が曲がっていると、 どういうことになるか。これはすぐお分かりになるでしょう。膝のどこかが痛みます。 立っている時はさほどでなくても、坐ろうとするとひどく痛むことが多い。

ズレを正す

このズレを一振りして正します。どんな風に正すのかは来ていただければ、 なるほどと分かります。しかし言葉で説こうとすると不可能に近い。ビデオで 見ても分からないでしょう。連続の分解写真でも難しい。実際に体験していただくと すぐに分かります。

で、正坐ができない、正坐しようとすると膝が痛くて、という人が多い。 そういう方の膝を一振りすると、それだけで坐れるようになることが珍しくありません。 注射ばりで水を抜くなどという、からだに逆らったことをする必要はありません。

もっとも、どんな膝でも一振りで直るとはかぎりません。 他の関節がかかわっていることがあり、そんな時は、そちらも直すことが必要です。 たとえば腰椎が関わっているなら、腰椎も直さなければなりません。 あるいは股関節がかかわっていることもあります。股関節がかかわっていると、 たいへんやっかいな時もあると言っておきましょう。

猿沢の池

ねじれを正す

また、膝の関節がねじれていることもあります。女性の場合、 膝の関節が内側へねじれていることが多い。ところが、ねじれていても痛くないことが多いですね。 たいていの関節は少しズレがあったり、ねじれていたりすると痛みがでるものですけれど、 膝は例外かもしれません。少々異常があっても痛みがあまり出ないので、 放置している人が多いのではないでしょうか。でも、膝の周辺をあちこち押えてみて、 どこかに痛みがあれば、その膝は狂っていますから、早めに直しておいたほうがいい。

ねじれの直し方は、少し練習すれば難しくありませんから、覚えて帰ってもらって、 家族に直してもらうという手もあります。来ていただいたら、しっかりお教えしますから、 どなたかと連れ立ってお越しください。

正坐ができるようになる

いずれにしても、こんな風に正坐ができるようになって帰っていかれる方が多い。 日本人にとって正坐ができるかどうか、これは特に女性にとってだいじな話ですね。

ただし、膝を直した後は、気をつけてもらうことがあります。横すわりやあぐらを止めることです。 特に横すわりをすると、膝は簡単にねじれてしまいます。横すわりをしている女性は、 わざわざ自分の膝を悪くする努力をしているようなものですから、今日限り横すわりを止める ことをお勧めします。じゃあ、どう坐るのかは各人でお考えください。

余談ですが、正坐をするようになったのは歴史を遡ってみると近世の話だそうです。 大安・仏滅など 「六曜」(ろくよう)の習慣も江戸の末ごろだそうですから、 たかだか数百年のあいだに生まれた習慣を 「日本の伝統」 としてありがたがっていないかどうか。 ただ、アジアの写真をみるとあぐら(またはその変形)か立てひざで、 正坐をしている人は見かけません。なぜ日本の近世でだけ正坐がはやったのか、 探ってみると面白いかもしれません。

「正座」 という書き方が普通になっています。ただ 「坐」 の字と 「座」 の字とには 意味の違いがあります。もともと 「坐」 は 「すわる」 意味であるのに対して、 「座」 は 「すわる場所」 を意味しています。ですからここでは画数の少ない 「正坐」 の文字を使いました。

 

正坐ができた(1)   正坐ができた(3)

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