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股関節を手術しない
片脚をひきずるようにして歩いていた A さん。股関節を手術しましょうと整形外科からいわれるのが嫌で、 なんとかならないかと整体を受けに来られました。うまく行くだろうか。 股関節は重大なところ
「股関節」 という言葉をだれもが当たり前のようによく使いますが、この関節は外から見えません。 お尻の奥のほうにある、というのが正しいでしょうか。ではまったく分からないかというと、そうでもありません。 腰から下へからだの横をなぞって行きますと、ちょうど股関節の横にあたるところに、 「大転子」 という突起があります。これは大たい骨(太ももの骨)の上の方が内側へ曲がっていて、 その曲がり角にあたるところです。肥えていて大転子が分かりにくい人もいますが、 たいていの人は外から突起に触れることができます。 で、A さんの腰をさっそく見せていただくと、左とくらべて右の大転子が横にとび出していました。 股関節のくぼみから、ももの骨がズレて脱臼していると思われます。まずうつむきになってもらって、 股関節の周辺を緩めました。そして今度は横向きに寝てもらって大転子を繰りかえし押していると、 わりあいラクに大転子のふくらみがへこんでしまいました。股関節がもとの正しいところに戻った感じでした。 ところがその次に来られた時は、股関節がまたズレているような感じで、うまく歩けていません。 妙だな、と思いましたが、前回と同じようにしてみました。けれど、どうもうまく行きません。 大転子の突起がなかなかへこんでくれないのです。 痛みがなくなったものの・・・3回目に来られた時にたずねてみると、1回目は楽になったけれど、2回目の後は 少し痛かったと言われる。やはりうまく行っていないのか、と内心おちこみました。 でも、ともかくがんばるしかありません。
3回目が終わったあと、痛みがなく軽くなりました、と言われたものの、どうも私の気持ちがすっきりしません。 やはり股関節がもとのようにずれているんではないかな、と気になります。大転子の突起がいまいち しっかりともとのさやに納まってくれていないように感じたからです。 A さんが帰ったあとも心にひっかかったままです。 次の日、A さんに電話をかけました。股関節に太ももの骨がおさまっているへこみは大変ちいさい。 もしも、端がすり減っていたり欠けていたりすると、いくらもとに戻してもすぐにまたズレてしまう可能性がある。 整形外科でレントゲンを撮ってもらって、股関節のところがどんな状況になっているかを確かめて もらえないだろうか、とお願いしました。A さんは、さっそく病院に行って見ます、ということでした。 もとの位置に骨が納まっていた4回目に来られた A さん。 股関節が長期にわたってズレている場合、関節で体重をささえるわけではありませんので、 けっきょく、その外の筋肉で支えることになってしまいます。そのために筋肉や靱帯が非常に硬くなります。 そうした硬くなったものの一部が関節のくぼみと大たい骨のあいだにはさみ込まれているのかもしれません。 整形外科の医師は、もとに戻っているからプールで歩くようにしてリハビリに励みなさい、 ということだったそうです。 今ふりかえってみると、最初の20分ほどでもとのくぼみに戻っていたのだと思います。 永年、脚をひきずって歩いてこられた A さん。お疲れさまでした。手術を受けないでよかったですね。 もう、これからは訓練しだいで普通に歩けるようになることでしょう。A さんは、奥様に、 とおっしゃって美しい手作りの品をくださいました。妻はたいへん喜んでいます。 ありがとうございました。
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