奈良市西笹鉾町
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股関節と鼠蹊部

 

脚の付け根、つまり股関節(こかんせつ)のお話しです。 「鼠蹊部(そけいぶ)が痛い」といって来られる人が時々あります。 なぜこんなところが痛いのかと誰しもいぶかしく思う。どうなっているのか考えてみましょう。

鼠蹊部って?

南アジアの舞姫

鼠蹊部というのは変なむずかしい名前ですね。「鼠」 はもちろんネズミです。 「蹊」 はよく使う字ではないので、漢和辞典を引いて見ると 「こみち(小道)」 と書いてある。 すると鼠蹊部は 「ネズミが通る小道のところ」 ということになります。 たしかに鼠蹊部にはスジがついていますから、 ハツカネズミのような小さなネズミが通る小道だと言われれば、そんな気がしなくもありません。

だれが鼠蹊部なんて名前を付けたのでしょうか。おそらく江戸末期の医者か、 明治初めの学者か、知識をひけらかすのが好きな人の命名でしょう。 それを庶民がそのまま受け取ってしまった。でも、 こんなに難しい漢字ことばが日常のことばとして落ち着いているのも珍しい。 英語なら groin という簡単な一語で済むんですが・・・。 どなたか簡単な日本語を作りませんか。

他に言い方はないのか

ところで股関節というのも難しい言葉が日常語になっている実例かもしれません。 とはいえ他によい言い方もありません。「またの付け根」 では何となく品がないように思われる。
そんなことを言うのは誰だ?

「あしの付け根」 では口に出して言ったときに足首のことかと思われます。考えて見ると 「股(また)」 という言葉には下品な響きがあるという固定観念があって、これを避けるために 「股(こ)関節」 と呼んでいるのでしょう。

まあ、別の言い方をするとすれば 「太ももの付け根」 でしょうか。 「腿根(ももね)」 なんて、だめでしょうか。「もも」 も何となく下品だ? そうですかねえ。

あぐらがかけない

鼠蹊部が痛いと訴える人は、 ほとんどの場合まず間違いなく股関節のまわりの筋肉が硬くなっている人です。 股関節は重い上体を支える大切なところですから、 からだの前と後からたくさんの筋肉が協力してがっちり守っています。少しでもゆがみがあると、 重さの偏りをしのぐために筋肉が必死の努力をして、つまり硬くなって支えているのでしょう。

あぐらがかけないほどひどい人もいます。 こんな人は逆に 「おばあさん坐り」(両脚をお尻の横に出したべた坐り)をしてくださいというと、 これもできません。どちらにしても股関節の周りのいろいろな筋肉が硬くなっていて、 伸びない状態です。

私はどこから来た?

なぜこんな状態になってしまっているのか。原因はいろいろありそうです。ただ共通しているのは、 あまり歩かないこと。それと、ふくらはぎの周辺やアキレス腱が硬くなっていることです。逆にいうと、 ふくらはぎの周辺が硬くて歩こうとしてもすぐ疲れてしまうから歩かないのかもしれません。 もう一つ付け加えますと、外反母趾の人は股関節が硬い。これには例外がないようです。

股関節の緩め方

股関節が硬い人はうつ伏せになってもらって片脚を横に出し、股関節のすぐ下、 つまり太ももの付け根の部分を後から誰かに繰りかえし押してもらえばよろしい。 数分間も押してもらえれば、それだけで鼠蹊部の痛みはとれます。

股関節が硬いと背中の筋肉も硬くなっていますから、股関節を緩めると背中もラクになります。 ですから身体が硬いと思っている人は、だれかに股関節を緩めてもらうと次第に柔らかくなってきます。 べた坐りもできるようになりますし、次第にあぐらもかけるようになって来ます。

やり方を言葉で書いても分かりにくいですから、詳しく知りたいという人には 朱鯨亭に来てもらえれば無料でお教えしますよ。ただし電話を入れて予約してください。 10分もあれば十分でしょう。

(2006年10月初出)

股関節が硬い   座るとお尻が痛い

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