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奈良市西笹鉾町 |
からだの左右差を縮める前のページでは、人のからだは対称が基本で、ところどころ非対称があると言いました。 次に、からだは対称に見えて非対称だ、と矛盾したことをお話しします。右はユルく、 左はキツくなっていることが多い。 からだは見かけほど左右対称ではないSさんは50歳代の男性です。膝(ひざ)が痛いという。よくある形のずれによるもので、
扱いは難しくありませんでした。終わったあとで立ってもらうと、
痛みはないけれど右脚(あし)に力が入らない感じで、爪さき立ちができない、といわれる。
左脚はちゃんと立てるのですから、どこかに左右差があるに違いない。
人の両脚は見た目に左右対称です。片方がむくんで太くなっているという人があるとしても、 脚の形は左右でまずまず差がないように見えます。ところが左右の働きには差のあることが多い。 見た目にも分かりやすいのは足先の角度です。仰(あお)向けに寝たとき、 床と足先のなす角度(傾き)が左右で違うという人がいる。 60度くらいの傾きをもっているのが正常ですが、右足の傾きがもっと小さい場合がある。 左脚は床と60度くらいの角度なのに、右脚は大きく倒れて30度だ、というような人がかなりいます。 左がシッカリ、右がダラリからだは右と左が対称なもの、とだれもが思いこんでいるけれど、ぴったり対称ではなく、 わずかに揺れのあるところが心にくい――そう前のページで書きました。よく観察すると、 人のからだは見かけほど左右対称ではないわけです。 だれにでもよく分かるのは顔。まず自分の顔を鏡でしっかり見てみましょう。 完璧に左右対称になっているでしょうか。片方の目が大きい。片方の眉毛が上がっている。 耳の高さが揃っていない。口の端がどちらか少し上がっている。鼻の先がどちらかに曲がっている。 などなど・・・。このような左右非対称がいくつか見つかる人が多いでしょう。 足でわかるように、左足がシッカリしているのに比べて、右足がダラリと広がっている。 立つときも、左脚を軸にして右脚をだらりと前に出して立っている人が多いですね。 もちろん逆の人もいます。向い側のプラットホームで電車を待っている人の姿を観察して見てください。 あなたはどちらのタイプでしょうか。顔を見ても、右側の眉毛が下がっている人が多い。 口元も右の方が低い。顔も足と同じように右がダラリと下がっていることになります。 逆の人がたまにいるとしても、なぜこんなことになっているのでしょうか。
左右の差がもたらすもの左右で差のある原因はいろいろ言われています。でも究極は地球の自転が関係しているんでしょう。 自転の方向によってコリオリの力というものが働くという話は、学校の理科で習った気がします。 キヲツケの次のヤスメで右脚を出して休む人が多いでしょう。これは学校で教えたからそうなっているの かもしれません。でも今は、ヤスメで横に脚をひらくように指導している学校が多いそうです。 Sさんにもキヲツケとヤスメをやってもらったところ、ヤスメの時には右脚を前に出すタイプでした。 はっきりと足の形には表れていませんが、やはり右脚をダラリと前に出すタイプだったわけです。 左右差の修正法大正末期から昭和初期にかけて活躍した高橋迪雄(たかはし・みちお、生没年不詳)という人が、 その著書 『正體術大意』 の中でからだの左右差を修正する方法について述べています。 そこに含まれている方法は、たいへん示唆にとんだものです。 これをヒントに橋本敬三さんが操体法を考案したといわれます。興味のある方は復刻版をお読みください (『正體術矯正法』 の名前で 「たにぐち書店」 から出ています)。
さて、Sさんに 『正體術大意』 に書いてある修正法をやってもらいました。詳しく書くのは難しいですが、 やってみましょう。 まず、うつ伏せになってください。腕は肘のところで折り曲げて、手を肩の横におきます。 次に右膝を横に出して、上の方へ引き上げて行きます。膝が肘のところに届くまで引き上げます。 どうしても肘につかない人は無理しなくてもよろしい。肘の近くまで来ればよろしい。 次に同じことを左側の脚についてもやってみます。どうでしたか。左右が同じようにできましたか。 左右が同じなら、からだの左右差は大きくありません。ところが、左右で引き上げ方が違うなら、 からだの左右差が大きいと言わなければなりません。以上がテスト法です。 次は修正法。うつ伏せになったまま、動きのわるかった方の膝を横に直角に出します。 これを5秒間ほど床から少し自力で持ち挙げる。脚のどこも床についていない状態にするのですけれど、 どうしても上げられない人は、床にやや触れている状態でもかまいません。5秒数えて、この脚を一挙に落とします。 その後しばらくじっとしている。そしてもう一度テスト法をやってみます。こういう方法をやってもらうと、 たちまち左右差が解消しました。Sさんは、あ、大丈夫です、ちゃんと立てます、と爪先立ちをしてくださいました。 左右の差を小さくすると、素晴らしい効果を挙げられることが分かります。 自分は左右差が大きいので、この修正法を続けてみようという人は、寝る前に布団の上でこれをやってください。 テスト法と修正法の両方をやります。テストをしても左右差が感じられない状態になるまで毎晩つづけます。 やった後は、そのままごろんと仰向けになって寝てしまうこと。これで左右差の小さい身体に変身できるでしょう。 | ||||||
| (06.10初出、07.11改) |