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共時性について
年が改まりましたね。2007年もこれまで同様、どうぞよろしくお願いいたします。
新年の卦元旦に卦を立てるのが私の道楽の一つ。やってみました。 今年の卦は 「火雷噬嗑」(からいぜいこう) でした。 字の意味するところを詳しく知りたいという方には漢和辞典を引いていただくとして、 「ぜいこう」 とは 「噛(か)み食う」 というほどの意味だそうです。 要するに口の中に噛み切れないような硬いものが入っている。 これを噛み砕くのが今年の課題ということになるのでしょう。 一筋縄で行かない難しい年になるのかもしれません。逞(たくま)しく生きなくては。 共時性ということさてと。今回のテーマは 「共時性」、英語で言うと 「シンクロニシティ」 です。 卦は 「共時性」 そのものですけれど、整体と何の関係があるんだと聞かれると、 これからお話しするような関係があります。 この 「共時性」 という言葉は最近よく使われるのではないでしょうか。 時々お客様の口から聞くこともあります。よくあるのは、 誰かのことを考えた途端にその人から電話がかかってくる、というものですね。 自分が考えていることと相手が考えていることとが同時に起きている。最近、 私もこういう電話を経験しました。 知った人が集まる朱鯨亭は06年の年末に奈良北町に移転しました。そしたら、 新しい空間がどんなところかお披露目をするまえに、近所の方がお披露目をしてくださった。 新・朱鯨亭から200メートル、 「菜一輪」 (さいいちりん)という玄米菜食のお店があり、このオーナーが古い知り合いです (彼女がここに店を持っていることを知らなかったので、 こんなに近くに越してきたこと自体が不思議な感じがします)。
ここの忘年会に招かれたんですが、びっくりしたことに、 その出席者十数人の中に前からの知りあいが3人もいました。お互いにあっと驚く。 これも共時性なんでしょうか。 朱鯨亭の看板の話旧・朱鯨亭の路地の上にかかっていた看板は私が作ったものです。 新・朱鯨亭は路地のかなり奥で、小さい看板じゃあ通りから見えませんので、 大きなのを作らなければなりませんでした。 この看板に関連した話題です。Mさんという方がご家族で旧・朱鯨亭に見えました。 雑談の中に 「毒だしツボ療法」 という話題が出た。 東京江東区の中川さんという方が工夫していらっしゃる方法です。 次にMさんのご家族が来られた時に、この療法の資料を持ってきてくださったと思ってください (こういう言い方は昔よく落語で聞いて覚えた言い方です。落語なら、 「持ってきてくださったと思いねえ」 というところでしょうか)。私はこの資料を読んで関心を持った。 しかしやり方が十分には書いてなかったので、直接Mさんにお聞きしようと、 Mさんのお宅を訪ねたと思いねえ。お宅がどのあたりかは予めお聞きしていたので、 大体の見当がついていました。 年末の午前中、Mさんのお宅を実際に訪ねました。お宅がどこにあるのかと探している間に、 もう10年ほど会っていない古い知人とばったり出会って 「おっさんになったね」 と話しました。 これも共時性の一つでしょう。
そうして、Mさんのお宅が見つかったのはいいが、 驚いたことにホームページでご紹介している昔の 「図書館」 の斜め向かいなんです (いま元の場所には別の建物があります)。この図書館でみつけた 『整体入門』 が、 整体を始めるきっかけを与えてくれたのですから、いくら偶然といっても、 あまりに近すぎるではないかと思いながら、Mさんのお宅に上がらせていただきました。 一つの共時性。空間の共時性といったらいいでしょうか。あるいは共所性? 古い民家で、 旧・朱鯨亭を遥かにしのぐ素晴らしさ。しかも8畳間と4畳間が通しなので広い。 よくこんないいところが見つかりましたねえ、 と話しながらツボ療法のやりかたを教えていただきました。 それからもう一つ。Mさんのお宅へ行く途中の古い豆屋さん、 奈良女子大のすぐそばにある豆屋さんに美しく黒光りする丹波の黒豆が売られていた。 前を行き過ぎたのですけれど、どうもこの黒豆が気になって仕方がない。戻ってこれを買い求め、 お土産に持参しました。奥方は 「黒豆が欲しかったところなんです。うれしい」 と言ってくださった。これも共時性だというのはこじつけでしょうかね。
ところがまだこんなことでは済まない。帰りがけにMさんが 「これからどうされるんですか」 と聞かれたと思いねえ。これから看板を作るつもりなんです、と答えました。そうすると、自分たちもこれからホームセンターへ行くところだから一緒に行きませんか、と言われたと思いねえ。それからが何とも、びっくりするような展開ですが、ご亭主が 「看板屋をやっていたことがあるんですよ。ホームセンターは工具が使えるから作りましょう」 という話になって、ちょいちょいと看板の支柱を加工してくださり、ついには軽トラックで新・朱鯨亭まで運んで下さいました。これがもう一つの共時性、というか何というべきか。考えても見なかったことがスルスルと実現するのは、何かが天に通じているというべきだろうか。 というわけで新年に朱鯨亭にいらっしゃると、Mさんが作ってくださった看板が路地の奥に立っています。字は次の日に私が書きました。 今年は世界が一筋縄で行かない難しい年になるのだろう。でも困難をしっかり噛み砕けばきっと逞しく生きられます。 (2007年1月初出)
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