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しまった! 肘が・・・
ずっとテニスをしている人の中に、テニス肘(ひじ)といわれて10年以上も痛く、 直らないとあきらめている人がいます。しかし諦(あきら)めるのは早い。 前腕と上腕
腕のうちで肘から先にあたる部分を専門語では 「前腕(ぜんわん)」 といいます。 これに対して肘から上は 「上腕(じょうわん)」 です。しかし 「前腕」 といわれてすぐ分かる人は多くないでしょう。 まったく知らない人なら、「膳・椀」 と思ってしまうかもしれません。「外側」(そとがわ)と言えばいいのに、 わざわざ 「がいそく」 という人がいる。こういう専門語を使うのは、やむをえない時に限りたいですね。 ですから私は 「前腕」 というような言葉を普段の説明に使わないようにしています。 実際に自分の肘から先を示して 「ここ」 といいます。でも文章ではそうも行かないので 「前腕」 ということにしましょう。 「上腕」 のことを 「二の腕」 ということもありますが、本来の日本語では 「上腕」 が一の腕、 「前腕」 が二の腕だったらしい。それがいつの間にか誤って 「上腕」 を 「二の腕」 というようになったそうです。 「前腕」 には二本の骨があります。普段の状態では二本の骨がねじれた状態になっていますが、 手のひらを上向きにした時には二本の骨が平行になりますね。外側に来るのが 「撓(とう)骨」 、 内側に来るのが 「尺(しゃく)骨」 です。 「撓骨」 は下の端が大きく、「尺骨」 は上の端が大きい。 腕を曲げた時にうしろにでっぱるところ、いわゆる 「ひじてつ」 の肘ですが、これが 「尺骨」 の上の端にあたります。 肘を傷めるとこのあたりが痛くなりますね。 困ったゆるみ肘を傷める、というのはどういうことなのか。なぜテニス肘になると10年以上も痛みが消えないのでしょうか。 この要因は二つあります。一つは二本の骨の間隔が開いていること。二本の骨は上と下の端で関節を作っていて、 この関節が緩んでいるわけです。一般に 「ゆるむ」 のは、 「ゆる体操」 などというものもあって、 いいことだと思われています。事実、こちこちに硬いより、ふわふわ柔らかいのがいいに決まっています。 けれど何でもかんでも 「ゆるんでいればいい」 というものではありません。
この 「前腕」 や膝(ひざ)から下の 「下腿(かたい)」 には二本の骨があります。 これらの二本の骨の関係がゆるんでいると、好ましくない状態になります。腕でいうと、 「前腕」 が太くなる。 だけでなく、この周辺が疲れやすくなったり、痛みが出たりで、ろくなことはありません。脚のふくらはぎも同じです。 ふくらはぎが太い人は、二本の骨の関係が開いているわけです。 骨の下がり肘を傷めるもう一つの要因は 「尺骨」 の 「下がり」 です。 こんな大きな骨が下がるなどということがありうるとは思っていませんでしたが、どうも下がるようです。 つまり 「撓骨」 に対して下がる。下がってねじれる。うーん、だんだんアマチュアの方には難しい話になって来ましたか。 そういう感じがして来たなら、ご自分の肘を触って確かめながらお読みください。 「尺骨」 が下がると肘の周辺にある筋肉がひっぱられて硬くなるだけでなく、場合によっては痛くなってきます。 尺骨の下の端、つまり手の外くるぶしの下に指をあてて、上向きに強く押してみると、 尺骨が下がっている人なら痛みがあるはずです。 テニス肘対策
そうするとテニス肘など、肘の故障の直し方はどうすればいいのでしょうか。まず手のひらを上向けにして、 肘のすぐ下で反対側の手を使い、二本の骨を締め付けます。そうして締め付けたまま手首をゆっくり、そろそろと回します。 外回り3回したら今度は内回りを3回、これをしばらく続けます。しばらく続けると、肘の周辺だけでなく、 「前腕」 の全体にわたって柔らかくなってきます。これは緩んだのではなく、二本の骨が 「締まった!」 のです。二本の骨が締まることによって、筋肉の緊張がなくなり、外から見ると緩んでみえるわけですね。 次に尺骨の上の端、つまり 「ひじてつ」 をくらわす先端部分をぐっと押さえてぱっと離す操作を3回ほど繰り返す。 どうですか。肘の痛みが消えるか、ずいぶん楽になったでしょう。前腕が 「締まった!」。テニス肘でなくても、 肘の痛みがあれば同じように応用してください。 (2007年5月初出)
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