奈良市西笹鉾町 |
骨盤のねじれ
骨盤は一つの骨と思われているでしょうが、骨の集合体ですので捻(ねじ)れます。骨盤が捩れると、 背骨が曲がるなど様々な不都合を起こします。腰の両側に大きな腰骨がありますね。それを腸骨といい、 二つの腸骨の位置が前後にくい違っているのが捩れです。 動き捻れ、くせ捻れからだが動いている時、骨盤には小さな捩れが交互に生じます。これは正常な捻れです。 捩れといっても、動きに伴って生じる正常な動き捻れと、 からだの癖として固定してしまっているくせ捻れと二種類あり、くせ捻れが問題です。
捩れが大きい時は別として、軽い捻れなら起きた時に自分で 「寝床体操・1」 をすれば直ります。仰向けに寝て、左右で腰骨に違和感のない方のかかとをぐっと突き出します。 そのままの位置で力を入れて耐える。呼吸は自然呼吸で、息をつめないこと。3秒くらいそのままにして、 ぱっと力を抜く。 そうして左右の感じ方がどれだけ違っているかを調べます。たいていは腰骨のところにヒリヒリとした痛みがありますから、 これがなくなったかどうかを調べます。まだ痛みが取れていないようだったら、もう一度繰り返す。何度かやれば、 左右の差がなくなるでしょう。これでおしまい。 操体法のもとになった原理この原理は、高橋迪雄(たかはし・みちお)さんの 『正體術矯正法』(昭和2年、1927年) という本に書いてあります。 ある形にした時、その不正がなほるやうでしたら、 今度は全身の力を抜いた形――つまりねるのが普通です――にしておいて、その部分だけ必要な形に動かし、 不正のなほる形でヂッと三秒か五秒とめておいて、急に力を抜いて、グダリと落としてしまうのです。この全身の力を抜き、 その部分だけ動かし、暫く止めておいてガタリと力を抜き切る所に、矯正法の秘伝があるのです。 橋本敬三さんの操体法については、本が色々でていますし、あちこちで取り上げられていますから、 ご存知の方も多いでしょう。操体法の本の中で名前を挙げていないものの、 橋本先生は正體術の操作法を取り入れています。高橋迪雄さんが 「不正がなほる」 と表現したところを、 橋本先生は 「楽なほうへ」 と表現したことになります。 橋本先生が高橋迪雄さんの正體術から影響を受けたことが、これで分かります。 「不正がなほる」 のは 「楽なほうへ」 動かした時だというのが、ここから得られる結論です。 骨盤の捻れかた
骨盤が捩れている人の多くは左回りに捩れています。何に対して左なのかといいますと、 頭上から見て身体の左の方へ回るのが左回りです。腰の位置でみると、右の腰が前に出て、左の腰がうしろに引けているのが 左回り。右回りに捩れている人は少数です。 なぜこんなことになるのか。古い文献を読むと、からだの重心の偏りによると昔から考えられて来たようです。 さきほどの高橋迪雄さんもそう考えていたようですし、野口晴哉さんも体重の偏りを重視して、これについて詳しく 調べています。では体重の偏りとは何でしょうか。 両方の腸骨に挟まれた奥の方、骨盤の中央には仙骨という逆三角形の骨があります。仙骨と腸骨のあいだには、 腰の中央からそれぞれ数センチ離れたところに仙腸関節と呼ばれる二つの関節があって、骨盤が捻れている人は 真ん中の仙骨が左右どちらかに傾いています。仙骨のところで背骨にかかっている体重が左右に分かれますから、 仙骨が少しでも傾くと、体重のかかり方が左右で違ってきます。 軸足と利き足手の場合、右手と左手では働きが違いますね。(左利きの人は逆になりますが)普通は右手を使う。足の場合も同じような 区別があります。でも、あまり意識されていないと思います。足は手と違って体重を支えなければなりません。そのため主に 体重を支える軸足と、蹴ったり歩き出したりする利き足の区別があります。足も右利きの人が多く、 右が利き足、左が軸足になっていますが、反対の人もいて、手の右利きとは無関係のようです。手は右利きでも、 足は左利きという人がいます。 多くの人は左足が軸足、右足が利き足になっています。軸足は支える方ですので、どちらかといえばこちらに体重を かけています。例えばボヤっと電車を待っているような時、左脚で立っている人が多い。 ですから仙骨が左に傾いている人が多いことになります。
捻れてくるこの時、仙骨が左に傾いてくるだけでなく、腸骨も捻れてきます。左側が後ろに来て、右側が前にいくことが多い。 体重は仙骨の傾きによって左側にかかっています。それに対して身体のうごきは右側を前に出す動き、 つまり左回りの動きが多いですね。たとえばバットを振る動きは上から見て左回りですし、テニスのラケットもそうでしょう。 細かいことをいえば、マウスを操作する動きでも身体は左回りになります。 そういう理由で、身体は左回りに(人によっては右回りに)捻れてくると考えられます。1度や2度ならいいですけれど、 常にその方向の捻れが続くので、次第にそれが固定してきますね。動き捻れだったものが くせ捩れに移行していく。 骨盤が捻れると骨盤が捻れるとどうなるでしょうか。色々な問題の生じることが考えられるので、列挙してみましょう。まず、 腰痛が起きやすくなる。腰が常にだるい。背骨が捻れ、側弯してくる。骨盤の間に収まっている大腸の働きが落ちて、 便秘を起こす。あるいは逆に下痢を続ける。子宮筋腫など婦人科系の障害が起きてくる。 側弯のためにさまざまな内臓に異変を生じる・・・。このような問題が起きてくることでしょう。 くせ捻れも発生して年月の経っていないものなら、操体法などで直すことが可能ですが、長い年月を経たものは 簡単には直りません。整体やカイロなどでやってもらっても、またすぐに元に戻ってしまうことが珍しくない。 よく 「元に戻りませんか」 という質問を受けるのですけれど、答えは人によって違うとしかいえません。 つまり自分の動きに注意して、修正体操などを続ける人は戻りにくいでしょう。ところが、せっかく施術を受けても、 そのあと元どおりの生活を続けている人は、なかなかよくならないでしょう。 |