離脱反応について
コーヒーは身体にいいのか悪いのか。いろいろと議論があるようです。ある人はコーヒーが身体によくないから止めるといい、ある人はいい効果もあるという。いずれにせよ毎日多くのカフェインを摂っていると、止めた時に望ましくない反応の出ることがあるようです。
好転反応か?
先日こられたMさんという女性。午後に整体の操法をしました。その翌日の夕方に、この方からメールが来ました。朝から強い頭痛があり、めまい、吐き気もあるということです。これは好転反応でしょうか、と聞いてこられたわけです。
しかしどう考えても、こんな好転反応はありません。私が何かおかしなことをしてしまったのか、と一瞬思いましたが、よく文面を読んでみると、朝になってから症状が出たのですから、私の操法が直接の原因であるとは思えません。そこで、整体を受けた後は、からだが緩んでいるから夜間、寝ているあいだに首の骨がすこしズレたということはあるかもしれない。頭痛などの症状は首のズレによるものかもしれない、という趣旨の返事を書きました。
水分不足で指が硬くなる
メールを出してからも、どうも頭の中の整理がつきません。なんとなく自分の答えに納得できない部分がある。さらに考えていると、Mさんが帰られる時に水を一杯さしあげたことを思い出しました。普通はこういうことをしないのですけれど、Mさんになぜ水を差し上げたかというと、Mさんの手の指が硬かったからです。
指の硬い人は、どうも水分不足の傾向があるのではないかと私は疑っています。水分の摂取量が少ないと、身体は水分の不足に耐えるために、水分の配分を変えようとします。そのため、ほとんどの水が内臓で消費され、指のようなからだの末端部分まで届かないようになってしまっているのではないか、と考えられます。その結果、指が硬くなってしまうのではないだろうか。
一日5杯のコーヒー
事実、Mさんに一日にどれくらい水を飲むのかと尋ねてみますと、水はほとんど飲まない、コーヒーを一日に5杯ほど飲む、という答えでした。コーヒーに含まれているカフェインには利尿作用があることが知られていますから、これでは水分を摂取しているというより、水分を出すことをせっせとやっているようなものです。多分そのために指の関節付近が硬くなっているのではないでしょうか。指の第一関節が硬くなる「へバーデン結節」Heberden noduleという症状がありますが、これもひょっとすると水分の欠乏と関係しているのかもしれません。
コーヒーを止めたら
こんな風なことを思いましたので、Mさんにコーヒーを減らしてもっと水を飲んだほうがいいのではないか、とお勧めしたわけでした。そのために帰り際に茶碗一杯の水をMさんに差し上げました。
これについてMさんに再度メールで尋ねてみますと、あのあと帰宅してからコーヒーをきっぱり止めたとおっしゃるのです。それから半日以上もMさんは好きなコーヒーを飲んでいないわけですから、カフェインの離脱反応が出てもおかしくない。カフェイン摂取量の多い人が突然カフェインを止めると離脱反応の出ることが知られています。頭痛、めまい、吐き気など、Mさんが書いてこられた症状とぴったり同じです。
抗うつ剤にも離脱反応
という次第で、整体に関心を持っている人もコーヒー党の人も、こういう問題があるということを知っておいた方がいいだろうと思って、書いておきます。なお、もっと激しい離脱反応の問題がパキシル(薬剤名パロキセチン)などの抗うつ剤についてもあるようです。これらについて詳しくは「ウィキペディア」の該当項目をご覧ください。ウィキペディアの左端下の検索窓に「カフェイン中毒」「パロキセチン」などと入れて「表示」のボタンを押すと該当する項目が表示されます。読んでみてください。驚くべきことが書かれているでしょう。