上部頸椎の重要性
見事な共時性(シンクロニシティ)の一例です。いつもこんな風にうまく行くとは限りませんが。
困ったら頸椎2番に愉気を
整体の先達であった野口晴哉(はるちか、1911~1976)さんの本に『体運動の構造』 1 ・ 2(全生社刊)があります。第1巻の冒頭で野口さんは頸椎(けいつい)一つ一つについて詳しく述べています。昨日まで朱鯨亭の2階で3日間の集中中級講座を行いました。その中でこの部分を拾い読みしました。野口さんの人物が的確に現れていて、頸椎についても詳しく描かれているからです。
上部頸椎(頸椎1番・頸椎2番)について野口さんは、自分が人の背中を見る時に必ず頸椎2番から始めたと述べています。脳幹部にある重要な身体の機能(呼吸・循環など)と関係する働きが頸椎2番にある。ここの状態をみればその人のある程度のことがわかる。発熱 ・ 意識昏迷など困った状態にあれば頸椎2番に愉気すればよい── ざっとそのようなことが書かれています。駅で倒れている人などがいれば取り敢えず上部頸椎に愉気をしてみてくださいと皆さんにお話ししました。
すぐに泣き止んで、熱が下がった
3日間の講座が終わってほっと一息。3日のあいだ話し続けるのは、いくら慣れているとは言え、私にとって、やはり重い頭脳労働です。帰宅して夕飯のあと、夜になってメール・チェックすると、講座に参加されていたFさんからのメールが来ています。ぴったりというか、何というか。取りあえず一部を引用しますから、どうぞお読みになって下さい。
── うちの2歳の娘の話です。昨日から熱がでて、いつもと違うぐずり方で泣きわめいてたらしく妻が困り果ててました。腰が痛いとか背中が重いとか2歳の子どものくせに言ってたようなんです。先生が話しておられた野口先生の話を思い出しまして、試しに頸椎診てみようと思い触診すると上部頸椎付近がパンパンで変に歪みもありました。愉気してみようと手を当てると急に娘が泣き止み、嫌がりもせずじっと愉気されてます。終える頃、嘘みたいに笑顔になって、寝る頃には熱もすっかり下がりました! 妻と2人で驚くしかありませんでした。
これ以上付け加えることは何もありません。上部頸椎の重要性が実に雄弁に描かれています。
( 2013. 04 初出 )