腰痛の解法
2011年末、私自身の話しです。毎朝7時前に朱鯨亭に出かけます。それまで炬燵でものを読んでいると、何だか腰が痛くなって来た。これはまずい。
しまった!
ここ十年ほどの間、私は腰痛を起こしたことがありません。朝方に少し痛むいわゆる「朝腰」の状態になったことがありますが、本格的な腰痛になったことはない。それがなぜ急に痛くなって来たのか。考えられるのは前日の実習で人数が奇数だったため、私も実習の相手になって足を何度も触られすぎた、そういうことはあるかもしれません。あるいは炬燵で妙な格好をしているのが悪かったのか。いずれにしても、これはまずい。まさに自業自得というやつです。言って行くところがない。
さっそく色々試して見ましたが、どうしても少し違和感が残ってしまって、痛みがきれいに消えたというわけに行かない。刻限が来たので、そのまま朱鯨亭に出かけるより仕方ない。ま、歩いているうちに整ってくるであろう。
それから 30分あまり歩いて朱鯨亭に着くころには腰の調子はずいぶんよくなっていました。でも完全ではない。まだ何か残っている。やはりまずい。
腰痛持ちが腰痛あいてに
お客様を相手に操法をしていると、また腰の調子が悪くなってきました。腰の悪い人を相手に、腰の痛い人間が何とかしようとしているのだから、これは漫画です。何とかしなければならない。昨日は見学の人が来ていたので、操法のあいまに少し仙腸関節を締めてもらいました。これで大分ましになったが、まだ少し違和感があります。
結局、夜になるまで僅かの違和感を抱えたままでした。他人を色々観察して対策を講ずる方が簡単で、自分自身のからだを観察して何とかするのは、意外に難しいものです。
えーと、どうするのが一番いいのだろう。そう考えてみると、やはり愉気をするのが一番だろう。そう思ってやってみました。これでほとんど解決です。どうしたか? それを書いてしまうと、また整体に行く人が減ってしまって同業衆から文句を言われかねない。でも、それを覚悟で書いてしまいます。
―― まず仰臥する。仰臥できない人は、横向きでもうつ伏せでも、何でもいい。楽な格好をする。そうして右手の掌を下腹部に当てる。しばらくそのままにしています。これだけ。
これだったら誰にでもできるでしょう。しかも副作用やおかしな結果を招くことは一切ありません。信じる者は救われる。腰痛のある方は試して下さい。いうまでもないと思いますが、腰痛なら、すべてがこれでよくなるわけではありません。念のため。
( 2011. 12 初出 )