尾骨が仙骨に影響する

尾骨などというと、猿の時代の名残でお尻の先にぶら下がっている無駄な骨、というくらいにとらえている人が多いでしょう。けれど、尾骨をばかにすると怖いというお話。

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南天

尾骨が仙骨に影響する

尾骨が歪んでいる人は珍しくありません。尻もちをついた経験が残っていて、尋ねると、「そういえば」と思い出す人が少なくない。階段からすべり落ちたとか、スキーで転んだとか、皆さん色んな思い出があるようです。問題はそれが歪んだまま放置されていることです。

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カカオの実

仙骨の捻れを生む

先日の集中上級講座のとき、Sさんの仙骨がわずかにねじれていた。仙骨が「ねじれる」というのは、伏臥(下向きに寝る)した時に仙骨の左右の床からの「高さがわずかに違う」ことを意味しています。

仙骨がねじれる原因は一つでないと考えていますが、この時は尾骨に原因があるのではないかと直感的に思いました。なぜそう思ったかと尋ねられても明確に答えることができません。特段の理由もなくそう思ったのですから、理由を説明できない。そういうことは誰しもあるのではありませんか。

ともかくそう思って尾骨を探ってみると、Sさんは「右側が硬い」という。そこで尾骨を整えてみたら、仙骨の表面がフワフワになっていました。「ねじれ」が完全に解消していたわけで、逆にいうと仙骨が硬く感じられると、わずかでも「ねじれ」があることを意味しているのではないかと考えられます。

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アリストロキア

背骨全体に影響が

例えば腰痛の人で仙骨が硬く感じる(他の人と比べて硬いという意味です)人がいたとすれば、尾骨を調べてみる必要があります。尾骨は背骨の末端で、そのねじれは背骨全体に影響している可能性があるからです。背骨の弯曲がある人も同じことです。いちど尾骨を調べてみるのがいいと考えます。

やり方はたいへん簡単で誰でもできますから、皆さんも自分の尾骨が歪んでいないかどうかを確かめてやっておくといいですよ。歪んでいるかどうかを形から確かめるのは難しいかもしれませんが、左右を触ってみて、どちらかに硬さや違和感を少しでも感じるようなら、やっておくといいと思います。

( 2014. 02 初出 )