寝床(ねどこ)体操(3)

「寝床体操 (2)」の続きです。先ほどの体操に続いて、寝床の中でする体操をご紹介しましょう。「体操 (2)」が終わったら、頭の横にある両手を合掌して、頭の上の方へ伸ばして行きます。上の方といっても、目の前に身体と直角に上げていくのではありません。頭の上の床に接する方向です。寝床の上で一直線になるわけです。両方の踵(かかと)もぐっと伸ばします。全身を両端から強く引っ張ると、とっても気持ちがいいですよ。この体勢で数秒間じっとしてから、すっと力を抜きます。しばらく休んでから、これを数回くりかえします。

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京都府立植物園

一つ一つの背骨の間には椎間板(ついかんばん)が挟まっていますね。昼間は重力に押さえつけられて縮んでいます。これを十分に伸ばしておこう、というのが、この体操のねらいです。いつも縮みっぱなしでは、年齢とともに次第に椎間板が薄くなってきても、いたし方がありません。一日に一度くらいはよく伸ばして、縮むのを予防しておきたい。また、それだけでなく、背骨がわずかにずれているような場合、背をよく伸ばすことで、ずれを修正することができます。大きなずれは、これでは修正しきれませんが、小さなずれならこれで取り去ることができます。その証拠に伸ばした後は、背骨がすっきり爽やかになるでしょう。

これを「体操 (3)」としておきましょう。何度か好きなだけ繰り返してください。始めは、背骨のどこかに痛みを感ずるかもしれません。しかし何度か繰り返すうちに、椎間板がゆるんできます。それにつれて背中の痛みが薄らいできます。うまく行けば痛みが消えるかもしれません。こうなれば目的がうまく達成できたことになります。

なお、この体操をする時に呼吸に注意を払うことができれば、もっと効果が出ます。力を入れる時に息をつめる習慣のついている人が多いことでしょう。でも「寝床体操(3)」をする時は、じっと力を入れて伸びていても、息をつめないでいただきたい。自然な呼吸を続けながらやるんです。

背中のうしろで呼吸するつもりでやると、もっと効果があがります。まず後頭部から息を吸い込む。理屈をいう人は、そんなことできるわけないじゃん、というかもしれません。そういうつもりで、あるいはそういうイメージで呼吸をするといい。そうすると、本当に背中に息が入ってくるように感じます。これがお尻のあたりまで入っていくようにイメージします。

そうして今度はお尻まで入った息を、逆に背中を遡らせて吐き出します。背中を息が行き来するイメージですね。これが気の流れというものです。気功を学ぶのに、難しい形をいろいろ覚えることは必要ありません。背中で息ができれば、りっぱな気功になっています。寝床で気功もできる。お得でしょう? 1度、背中を伸ばすごとに、この呼吸を2~3度くりかえしてみてください。

いったん伸ばすのを休んで、また同じことを何度かくりかえします。

( なお、この後に「寝床体操 (4)」を掲載していましたが、人によって不適当な場合があり、削除しました。 )

( 2013. 09. 02 )