歩きながら
時には歩きながら自分の身体のケアをすることが必要な時もあります。奈良の隠れ名所を歩きながら膝を直しました。
北山辺の道
奈良には有名ではないけれど、ぜひ紹介したい場所があちこちにあります。そうした隠れ名所の一つは「北山辺の道」。普通は「山辺の道(やまのべのみち)」といえば、大方の人は天理・桜井間を歩きます。天理から出発し三輪社あたりを終点として歩く人が多いでしょう。あるいはその逆に歩く。
実は山辺の道に奈良・天理間の部分もあります。通称「北山辺の道」という。歩いている人は南に較べて非常に少ない。いっときは途中で道が切れていたほどですから。
この北山辺の道を昨日は少し山の方へ入り込んで歩きました。山の中に正暦寺(しょうりゃくじ)という寺があります。「日本清酒発祥之地」という石碑が立っている寺です。
山側から寺に入るルートが地図にあるので歩いてみようと朝から歩き始めた。それはよかったんです。鹿野園(ろっきゃおん)から登り始めましたら道の大半が森の中を巡っていて涼しい。江戸時代は伊勢街道の脇街道だったそうです。幅が約4mの道ですけれど車はめったに通らない。初夏の日差しに焼かれることもない。近くにこれほどいいルートがあるとは知らなかった。
歩きながら膝を直す
ところが正暦寺へ降りて行くルートが困難を極めていました。ごろごろ石がたくさん待ち構える谷の道です。道というより谷底を歩いているのに近い。歩く時のショックが大きい。私の左膝が痛くなってきました。我慢できないほどではない。でもいい気持ちではありません。
膝のどこかといえば膝蓋骨(しつがいこつ、お皿)の中に痛みを感じます。膝が痛いと訴える人の多くはここが痛い。それから膝の内側が痛む人もいる。この2つで膝痛の大半を占めるでしょう。
一計を案じて共鳴を使うことにしました。小指の第2関節が膝に対応します。私の場合は左膝ですから左手の小指の第2関節を使うことになります。皿の中が痛い場合どこがどうなっているのか。皿の上部=大腿の下部が硬くなると皿の中が痛むようになりやすい。小指の第2関節の少し手前=指の付け根に近いところを押さえることにしました。ごろごろの谷底ですから休憩するような場所はありません。歩きながらやってみよう。
というわけで小指を軽く押さえながら進みます。そうすること5分くらいで痛みが収まってきました。正暦寺に着くころには痛みが完全に消えました。膝痛で困っている人はぜひ試してみてください。左膝なら左手。右膝なら逆です。きつくぎゅっと押えないこと。むしろ弱すぎるくらいに、そっと触れているのがコツです。整体に行かなくて済むならラッキーでしょう。
帰路に痛みは出ませんでしたし、けさも痛みをまったく感じていません。
( 2013. 05 初出 )