横すわりの害
ついうっかり横すわりをしてしまう人が多いのではないでしょうか。1度や2度なら何ということもない。しかしそれが、たび重なると違った結果になります。
骨盤が傾いて来る
【 横すわりの弊害 】 このテーマでは何度も書いています。その被害が跡を絶ちません。いま「被害」と書きました。確かに横すわりによって何かの害を被っているのですから「被害」といって間違いではない。ところが本人が「加害者」でもあります。本人が「横すわり」をしているわけですから自分自身の身体に害を加えていることになります。加害の自覚を持ってほしい。
どんな被害があるか。先日見たのは「坐骨神経痛」でした。多いのはやはり膝痛(ひざいた)です。けれど単純な被害だけが出ているのではありません。一昨日の方は複合症状といえばいいのでしょうか。ともかく左半身がすべて不調を来しています。首の左側が痛む。左肩のあたりに不具合がある。腰も左が痛い。足首は左の調子が悪い ── そんな具合でした。
色々と聞いてみても原因がよく分からなかった。ところが帰りがけに私の前に坐った時に原因が分かりました。両膝を左側に出して坐る横すわりだったからです。あなたも試しに左に両膝を出して坐ってごらんなさい。【 お尻が左に来て重心が左に寄ってしまう 】ことになっています。後ろから誰かに見てもらえば一目瞭然でしょう。それとも左に両膝を出すことができませんか。そういう人は、すでにかなり骨盤が歪んでいます。特にひどい例では、30゜くらい傾いているご老体を見たことがあります。こうなれば戻しようがない。
繰り返しが固定化を招く
たった1度そのような坐り方をするだけなら何も起こらない。でもそれが、たび重なってくると事情が違ってきます。しかも長時間そのまま坐っています。反対向きに坐ろうとすると出来ない。できなくはなくても非常にやりにくい。なぜでしょうか。同じ坐り方をすることで同じ筋肉が凝って来るからです。
筋肉だけではない。周辺の組織がいつも同じ側にだけ緊張をかけられて疲れて来るわけです。1回・2回の出来事なら大きな問題にならないでしょう。ところがすでに疲れがたまっているので逆側には坐りにくくなっています。つい同じ側に坐ってしまいます。「つい」というのは「無意識に」ということですね。無意識にやることが恐ろしい結果になるかもしれません。
同じ側の肩に鞄をかけるのも似たような結果になります。いつも同じ側に同じような状態を作り出していると固まって来る。それが歪みを作る原因です。しかも一旦このような歪みが出来上がってしまうと、元に戻しにくい。たとえ正常な状態に復元できたとしても、歪んだ状態にすぐ戻ってしまうことになる。何度も整体に通わなければならないという状態になります。
将来が危ない
最後に結論を言いましょう。 【 いつも横すわりをしていると今は問題がなくても将来的にひどい状態を招く確率が非常に高い 】
最も起きやすいのは足腰の不調です。例えば「坐骨神経痛」。例えば膝痛や腰痛。齢をとってから足腰を傷めたくなければ絶対に横すわりをしないことです。
( 2013. 12 初出 )