対角操法
右足首と左手首とか、左膝と右肘とか、からだの対角線上に点をとって、その点に愉気すると対応点がよくなってくるという不思議な操法があります。
くんなかの道を歩く
夏は暑くて中止していた歩きを再開しよう。そう思って、「やまと」盆地を横切って歩きました。古くから「くんなか」(国中)と呼ぶ盆地のまんなかを桜井市のJR巻向(まきむく)駅から、香芝市の香芝(かしば)駅まで、東西に横断して歩いたことになります。
JR万葉まほろば線の巻向(まきむく)駅を出発しました。まだ朝8時なので朝靄がかかり、向こうが霞んでいます。晴れた日なら西の「ふたかみやま」(二上山の古称)が見えるはずですが、何も見えません。「くんなか」の地には古い「条里制」の跡がいたるところに残り、約109メートルごとに道があります。地図でご覧になると分かりますが、等間隔で碁盤の目に道が走っています。もちろん完全に残っているわけではなく、池のところで道が消えていたりして、場所により迂回しないと進めません。
田畑の中の道も現在では舗装されているところが多いものの、地道のままで残っているところもあって、そんなところに藪があったりすると、むかしの「やまと」がそのまま今もあるんだな、という感覚になります。草が茂った1間(畳一枚の長さ)ほどの幅の地道は、何ともいえずいいものです。
歩いた後の筋肉痛
端折って終点に話を進めましょう。最終到着地点まで、直線で12キロほど。しかし実際にはまっすぐ進めないので、およそ15キロほど、約4時間。途中の休憩も含めて、ほどよい道でした。
ところが今朝になって左脚が痛い。筋肉痛です。たしかに少しおかしい感じがあったので、まずいかなと思っていたのが、おかしくなって来た。ひさしぶりに長距離を歩いたのですから、少しは仕方がないかな。
かつて脚絆(きゃはん)というものがあって、下腿に巻いて骨が開くのを防いでいたようですが、その効果は確かにあったはずです。それで左脚の脛骨と腓骨という二本の骨を締めてみました。すると、確かに効果があった。痛みが半減しました。でもまだ痛みが完全に消えたわけではありません。
そこへ先日こられた高校の先輩Kさんからメールです。私がやってみても、どうしてもとれなかった左外踝の痛みが、ある人にやってもらったら消えたのだそうです。脱帽です。メールの一部を引用させていただきますと ──。
知り合いの方に、足のことを話したら、治してあげようと言われました。右手首をさわっていました。くるぶしでなく、手首のポコッと出たあたりです。触っているとき、ご自分が痛いのか、何か感じるのか、少々声を出しておられました。階段を下りてご覧と言われ、降りました。痛みが消えていました。
対角線上に
昔から、脚の代わりに腕を使う操法、あるいは腕の代わりに脚を使う操法があると聞いていました。でも、やり方がまったく分からないので、ためしてみたことがありませんでした。そういう操法があると、人に話をしたことが何度もありましたが、不思議な操法があるものです。
ともかくやってみよう。さきほど自分の手首を1分間ほど握ってみました。そして足を動かしてみると、もうほとんど痛みがありません。うーん、なるほど。こうやるのか。
逆に手首が痛い時に、足首を押えていると直るのだろうか。先日、手首に痛みが出た時に試しに反対側の足首をじっと押えてみました。すると1分ほどで確かに手首の痛みがとれました。というわけで足首の痛む人は自分の手首をじっと押えていると、痛みが消失するかもしれません。どうぞお試しください。ようするに対角線上にポイントを取ればいいわけです。
「対角線操法」と名前を付けたいところですが、そういう名前の操法が昔からあって、それは少し違った操法らしい。ある人から資料をいただいたので、また機会があればお知らせするとして、今回の操法には「対角操法」と名付けておくことにします。
( 2012. 10 初出 )