手当て健康法

本当にだれでも出来て、しかも効果がある。そんな健康法はないものか。それが、ありました。

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赤い靴はいて (横浜)

床上はアイデアの源泉

ウィキペディアというネットの百科事典がありますね。欠点があるものの、みんなで作り上げるという方法論が気に入っていまして、私も愛用しています。時には整体関連の項目に書き込んでみたり、道楽で音楽の項目を書き加えたりもしています。そのウィキペディアで「三上」という項目を検索してみてください。「みかみ」ではなく「さんじょう」です。実際に引いてみると、この項目はないものの「欧陽脩」の項目に次のように書いてありました。

三上──良い考えの生まれやすい状況のこと。馬上、枕上、厠上。それぞれ「乗り物に乗っている時」、「布団で寝ている時」、「便所の中」。

中国11世紀の文人、欧陽・脩(おうよう・しゅう)の言葉だそうですが、それはともかく、私の場合「枕上」がいいです。朝、目が覚めてしばらく布団の中でじっとしている時に、いいアイデアが浮かぶことが多い(とは言っても私は枕をしていないので「枕上」というより「床上」といった方がいいかもしれません)。

今朝もそんな具合に目覚めました。手指のことを先日からずっと考えているので、寝ている間に無意識の世界で考えているのかもしれません。整体屋でない人が自分の指を直そうとすれば、どうするのが一番いいだろうかと考えていたのでしょう。

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関帝廟 (横浜中華街)

手を握っているだけで

手のあちこちを少し強めに押してみる。すると「痛い」というほどではないけれど、何だか「違和感」を感じるところがあるとしましょう。あるいは、むかし突き指をしたことのある人なら、その指を対象にしてもいいでしょう。そういう場所に反対側の手を当てて、数分間じっとしている。それだけです。これなら誰にでも出来る。「時間がない」という言い訳も成り立ちません。

実際このとおりにやってみると、少し「違和感」のあったところが何も感じなくなっていました。左手の平を右手の小指の付け根あたりに当ててじっとしていたんです。人によっては、右手の平を左手の指の辺りに当てていてもいいし、場合によって、掌が痛ければ合掌をしてもいいでしょう。こうしてじっとしていれば、立派に愉気(ゆき)をしていることになります。

「愉気」という言葉をご存知ない方は「手当て」と考えてもらえれば、結構です。「痛み」や「違和感」のあるのを何とかしてやろうと、念を込めつつやるようなことをする必要はまったくありません。ただ淡々とやればいい。これで3分なり5分なりじっとしているだけです。

それでまだ何か残るというのなら、翌日また同じことを繰り返せばよろしい。あるいはピンポイントでどこかが痛い、突き指をしたところにずっと違和感がある、というのであれば、その指だけを握っていてもいいです。これだとすぐに改善させてしまうことはできなくても、徐々によくなって行くはずだと思いました。

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関帝廟 (横浜中華街)

おかね不要、努力も不要

実際、私がどなたかの手指を相手にする時は、すこしばかりコツがあって、文章で書いても、なかなか分かりにくいのが実情です。でも、こんなふうに手当てをするだけであれば誰でもできますね。

手の指の異常が肩の異常を引き起こし、それが腰にまで影響していることがたびたびあります。それを考えてみれば、毎朝こんな簡単な健康法をやってみることで、知らぬうちにあちこちの異常が解消されるとすれば、これほどいいことはありません。お金もいらないし、努力さえいりません。

もちろん足のどこかに痛いところがあれば、そこにやるのもいいと思います。布団の中なら、どんなおかしな格好をしても、誰も何ともいいませんから。あるいは自分の指が届かないという人は、家族にやってもらってください。右手を左足の指に当てて、左手を右手の甲に当てているなんていうものアリでしょう。そう考えると夫婦やカップルで手をつないで歩くのも、いい健康法ですね。

( 2012. 06 初出 )