後ろ握手が出来る
後ろ握手ができない人は何とか出来るようになりたいと思っているでしょう。どうすれば出来るようになるかを考えてみましょう。
後ろ握手ができない
片腕を下から背中に、反対側の腕を上から肩に回し、背中で握手する。左右を逆にして同じことをしてみる。すると、たいていの人は右前にした時と左前にした時とでやりやすさが違います。
「後ろ握手」と呼ぶのがいいのか、他にも呼び方があるのかどうかよく知りませんが、これをして下さいとお願いすると、僕は両方できるよ、私は右がダメなの、と賑やかなこと。皆さん、両方とも簡単にお出来になりますか。
すっと出来る方は、この号を読む必要がありません。でも、どちらかが出来ない人、あるいは両方とも出来ない人は、以下を読んで下さい。
この後ろ握手を実際にやってもらうと、左手を背中から上げ、右手を肩から回す方は出来ても、その反対、つまり右手を背中から上げる方は出来ない方が多いようです。これができないのは、前腕の二本の骨が開いているところに原因の一つがあります。右利きの人では右腕を左に比べて酷使しているためか、前腕の二本の骨が開いていることが多い。
前腕の開きが問題
前腕には親指側に橈骨(とうこつ)、小指側に尺骨(しゃっこつ)の二本の骨があって、自由に回転できるようになっていますね。このことは、脚の脛骨・腓骨という二本の骨と同じような構造です。そして、二本の骨の間隔が開いて来ると、具合の悪いことが起きやすいのも腕と脚で似ています。
実は後ろ握手をしなくても、これを確かめられます。右手と左手をそれぞれ背中に回して上げてみれば、どちらが上がりやすいかが分かります。上がりにくい方の腕に問題が隠れているわけです。問題がなければ、手の先が首のすぐ下あたりまで上がるはずです。上がらなければ何かの問題があります。
じゃあ、二本の骨を締めれば、後ろ握手ができるようになるのか。その通り。もちろん他の要因もあって、必ずしもこれだけで後ろ握手が出来るようになるとは限りませんが、少しは改善するはずです。では二本の骨を締めるのは、どうすればいいのか。まず一番シンプルで原始的な方法は、前腕の二本の骨を絞めつけておいて、手首をぐるぐる回す方法です。これでも二本の骨が締まってくるはずです。
次の方法。掌を上向けにして、反対の手で掌を押さえ、手前にぐっと引く。つまり、手のひら側で手首を直角に曲げます。そうして次の瞬間、押さえていた手をパッと離す。これを2~3度ほど繰り返す。これでも少しずつ骨が締まってくるはずです。他にもありますが、説明が難しくなるので、省略します。
手首が硬い
もう一つ、後ろ握手を出来にくくする要因が、骨の開き以外にもあります。それは手首が硬いことです。手首を手のひら側、甲側へそれぞれ直角に近く曲げられれば問題がありません。でもそこまで行かないという人は、問題があると思ってください。これも簡単に直る場合と、複雑な場合とがありますが、簡単なケースを説明しましょう。
手首を掌側・甲側へ曲げてみる。どちらか行きにくい方があれば、そちら側へ出来るだけ曲げておいて、もしも甲側へ行きにくいなら、甲を反対側の手で、ぱんぱんと叩いてみてください。たったこれだけのことで、動きが変化するはずです。掌側に行きにくいなら、掌をぱんぱんと叩けばよろしい。
この二つ、つまり骨を締めることと、手首の動きをよくすること、この二つをやってから、後ろ握手をもう一度してみてください。どうです。行きやすくなりましたか。
後ろ握手ができやすくしておくと、肩の異常が起こりにくくなるはずです。お試しください。もちろん、どこかに激痛があるような人は、無理をしてはいけません。また行きにくくなった人は、同じことを繰り返してください。
( 2012. 02 初出 )