よくなりたいと思う
「ほんとうによくなりたいのか」という重要なテーマの続きです。ほんとうによくなりたいのなら、どうすればいいでしょうか。
よくなりたいと思い続けられるか
もしもあなたが、【本当によくなりたい】と思っているとしましょう。どうすれば本当によくなることができるか。もちろん、しっかりした治療や施術を受けることも必要ですが、難病であればあるほど、それだけでは足りません。【本当によくなりたい】と思う気持ちを強く持ち続けることができるかどうかが大きなポイントです。
でも、またしても反論を受けそうですね。【これだけ苦しんでいるんだから、よくなりたいと思っているのは当然でしょう、そんな失礼なことを言わないでください】と。
ところが、よくよくその人の行動を見ていると、かならずしもそうとはいえないところが見えてきます。自分がよくなるために必要なことをすべて実行しているかどうか、という点が一つ。よく体操の指導をすることがありますが、せっせとやる人がいる反面、言われたことをほとんど実行していない人も少なくありません。
もう一つは、意識がいつも向いている方向に何か問題がある場合です。例えば自分自身も気づかないうちに、よく他人を批判したり人の悪口をいったりするような人です。こういう傾きがある人は、意識の中に「恐れ」の気持ちを持っています。このことが病気を長引かせている可能性が大きい。しかしたいていの場合、本人はこのことにまったく気づいていません。
「恐れ」の気持ちが自分の中にあると気づいたら、どうすればいいか。それは「感謝」することでしょう。たとえ批判したくなる相手であっても、自分と何らかの点でつきあってくれているのですから、かならず何か「感謝」する点があるはずです。寝る前に、その日に出会った人を一人ひとり思い浮かべて、たとえいやな相手であっても「ありがとうございます」と言ってみる。これを繰り返すだけで批判の気持ちが遠ざかっていくはずです。このことが病気を遠ざける力になります。これについては次のページで詳しく書きます。
「自分はよくなる」と願い続ける
さて、批判の気持ちを強く持っている人や、必要な体操をやらない人は、失礼ながら【 本当によくなりたいとは思っていない 】と言われても仕方がないのではないでしょうか。【 難病から脱出したい 】と本当に願っているなら、それこそ四六時中、【 自分はよくなる 】と願い続けることが必要です。事実、自分が回復したときの姿を意識に刻み続けることによって、【 とても治らない 】と言われた難病を克服したという例は、星の数ほどあるといってもいいでしょう。では、そのために、どうすればいいか考えてみましょう。コツは何か。
四六時中、自分が治ることを念じ続けるといっても、いろいろと忙しくて、【 自分の体のことばかりを思っていることなんかできない 】と大方の人は考えるでしょう。確かにそれは正しい。
でも方法がなくはない。自分の意識では思っていなくても、潜在意識に思わせる方法です。もっとも、潜在意識と言われても、【どこにあるのやらよく分からない】というのがたいていの人の思いでしょう。もちろん、【 これが潜在意識です 】と出してみせることはできないし、自分自身でもどれが潜在意識なのか、とらえどころがないのも事実です。
潜在意識にイメージを刷り込む
潜在意識は本人にもあるのかないのか分らないから潜在意識、つまり隠れた意識と呼ばれるわけです。では潜在意識に働きかけるのは難しいのかというと、そうでもない。潜在意識は意識の裏側でつねに縁の下の仕事をし続けています。ですから簡単にいうと、顕在意識(普段の意識)で、ある考えを繰り返していると、やがて潜在意識がかってに繰り返してくれるようになります。考えでなくてもイメージでもいいです。自分が病気から抜け出して、元気に何かをしている様子を繰り返し考え続けるわけです。そうすると、やがて潜在意識が働きだして、意識で考えなくても、潜在意識がいつも考え続けてくれる状態になる。これがほんとうに治る方法です。
たとえば、前にあげたパニック障害の人がイメージするとすれば、どんなのがいいか。パニック症の人は永い時間のりものに乗っていることができません。これを逆手にとって、自分が家族と一緒に旅行に出かける様子を思い続けるのはどうでしょうか。自分がヨーロッパのどこかの都市にいて、家族とたのしく買い物をしているとか、観光地を回っているとかの様子を思い浮かべる。それも一度や二度おもい浮かべる程度ではだめです。何度も何度もくりかえして、こういうイメージを思い浮かべ続けると、やがて潜在意識が働き始めて、旅行を実現するために必要なあらゆることを始める。
強く思い描くのに特に大切なのは、イメージを具体的にすることです。パリのエッフェル塔が見えるお店でほしかった品物を買っているようす、などというように具体的に思い浮かべることです。こういうテクニックがどれだけ強い力をもっているかは、実際にこのテクニックを使った人でないと信じられないかもしれません。信じられない人は、イメージを浮かべることの大切さを説いた本を一冊でも読んでみたら納得がいくかもしれません。イメージがあなたの病気を治します。