意識が身体を変える
背骨をどのように変化させるか
昔から背骨の調整、つまり背骨の歪みをどのように整えるかというところに多くの先人が努力を重ねて来ました。その結果、色々な方法が残されています。有名なところでは野口整体による方法、正體術による方法、カイロプラクティックの方法、誇張法による方法、など数え始めるとキリがないほど。それぞれに一長一短があって、どれが優れているかという議論は、ここではしません。
最近の私はどうしているか。これについて詳しくは先日ご紹介した『共鳴法教本』の36ページに書いておきました。詳細について関心のある方は、そちらをご覧ください。項目の最後に私は次のように書いています。
── 椎骨の番号が正確でないと難しいかもしれない。そんなとき、操者がこれは何番であると強く確信していれば、正確でなくてもよい。(椎骨と操者の意思との)対応関係が正確であればよい。
意識が身体を変化させる
そんな馬鹿な、とお思いの方もいらっしゃると想像します。中指の中手骨上の位置が椎骨の位置と対応しているので、その位置に指先を当てて、ちょいと弾くと、その椎骨が正しい位置に納まるのです。
それはないでしょう、と思ったあなた。『教本』を読んで試してみて下さい。先日の実例を示します。
これは知人の息子さんですが、以前に来られた時に腰痛が残って解決しないままになっていた人でした。今回は捻挫で来られたのですが、腰はどうか、と聞いてみると、まだ痛いという。それなら、と先ほど書いた方法でやってみると、見事一発で解決しました。
淡々とでなく・・・
なぜ、こういう方法で改善するのか、と聞かれても、私も答えられません。いえることは、私の意識が相手に伝わっているとしか言えない。そんなアホなことが、と考える人がいても私も、そうですね、と答えるしかない。でも事実として、そういうことが起きる。とすれば操者の意識が受け手の歪みを改善していることになる。
世の中には、そういう操法を中心にやっている人がいるのも事実で、否定できません。意識で直すという操法です。「十字式健康法」なんていうのもありますね。従来私は、操法する時は、意識をどうこうするのでなく、ただ淡々とやればよろしいと説明していましたから、この操法は、従来の説明を破っていることになります。しかし先ほどの実例でも分かるとおり、そういうことが、この操法を始めてからずっと起きています。そのため、私自身が意識の効果を否定できなくなっています。
というわけで意識が身体を変化させることが確認できました。だとすれば、操者の意識ではなくて、本人の意識が本人の身体を変化させることも十分にありうる。病気の原因はすべてストレスであるという考え方がありますが、そういうことがありえます。
だとすると、これまでの操法を根本的に見なおさないといけない事態になるかもしれません。こんなことをいうと、各地の操法家から「またまた、それはないでしょう」と言われるかもしれません。はてさて、これから先どうなることか。行方は混沌としてきました。
( 2015. 03 初出 )