膝痛 (8) なぜ膝が痛むのか
膝が痛む人の腰椎がどうなっているか。それをよく観察してみる必要があります。
腰椎2番が問題
膝痛について、ちょっとしたヒントを書いておきます。膝を傷めている人の腰椎を見ると、決まって腰椎2番が歪んでいます。これは何を意味するか。
(もちろん腰椎2番と指定したのは、この骨が歪みの中心にあるという意味で、腰椎1番や3番も歪んでいるかもしれません。それから「歪んで」の字は「ゆがんで」と読んでも「ひずんで」と読んでもご自由です)
腰椎には、それぞれ全身の運動に関係する役割があって、腰椎2番は「側屈」に関係しています。前屈・後屈・開脚・回旋の動きも腰椎にありますから、無理なストレッチをするより、腰椎を柔らかにすれば、よほど簡単に色々な動きができるようになるのは、そのためです。
(この場合も2番だけが「側屈」と関係しているという意味ではなく、その近辺の骨が共同して「側屈」の際に働いている、という意味です)
側屈というのは体を横に倒す動きで、例えばラジオ体操でも腕を挙げて体を左右に交互に倒す動きがあるでしょう。あれです。
歪みに感謝
なぜ側屈に関係する骨が膝痛の人では歪んでいるのか。ここからは推測です。側屈をするときは、体重が左右両横にかかります。体重のかかり方が左右で同じなら、腰椎2番は歪む必要がないはずですが、現実には左右にかかる力が違うために、ここで調節しているのではないでしょうか。言い換えると、あなたの体重のかかり方が左右で異なるために、腰椎2番が歪んで頑張っている、ということになります。こうなると歪みを毛嫌いするのは間違いで、むしろ感謝しなければならないでしょう。
ここから膝痛を改善させる操法も自ずから明らかになってきます。左右両脚にかかる体重がほぼ同じになり、重心が体の中心に寄るようにすることです。決して膝そのものをいじり回すことではない。骨盤や腰椎が改善しなければ膝痛が改善することは難しいというのは、こういうことでした。その上で、膝のお皿が硬くなっているようなら、それも柔らかに動くようにしれやれば、膝痛は次第に消えて行くはずですね。
( 2014. 05 初出 )