楽に動くために
からだが楽に動くようになりたい ―― この望みはどうすれば叶えられるのでしょうか。
腰椎を正すと
「集中講座」が終わりました。「毎週講座」の場合と違って、3日連続で行う集中講座の面白いところは、身体がどんどん大きく変化する人がいて、手に取るように変化が目に見えることでしょう。
そういう例をいくつか上げてみます。参加者のTHさんは、たいへん興味の尽きない身体の持ち主で、筋肉の表面は柔らかいのに前屈がまったくできません。両脚をのばした長坐で前屈しようとすると、腕を突き出しているだけに見えました。
前屈ができない人は腰椎が硬いものです。そこで、腰椎をひねって柔らかくし、さらに腰椎の中でも1番と5番を正したところ、Tさんは自分の足の指先をつかむことができました。これには拍手さえ起こりました。
硬ければ、ストレッチを続けたらいい、やがて出来るようになりますよ、という言い方があります。こういう根性論でもできるようになるんでしょうが(私にはそういう根性がありません)、なにせ時間がかかります。楽に身体が動くようになりたいと思って、ストレッチやヨーガに通うんだろうと思います。でも時間がかかるのは確かでしょう。
反り腰の修正
また別のTHさん(イニシャルも同じというのはややこしいが仕方がない。別人です)は、「反り腰」の修正法を毎日つづけたそうです。そうすると、反り腰が完璧に直ったのみならず、逆に曲がり腰ぎみになってしまいました。
うつ伏せに寝てもらうと、腰椎が少し飛び出しています。いくら何でもこれはやり過ぎだろう。ときどきこういう熱心な人がいて、熱心すぎてやり過ぎになってしまうんですね。「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
でも、変な話しですけれどね。「反り腰」修正法には、確かに大きな効果のあることが実証されたわけで、私としては嬉しい。これほどの効果があろうとは思っていなかったですからね。うんうん言ってストレッチをするより遥かに楽で効果があります。
こんな風に整体をうまくやれば、そんなに苦労しなくても出来るようになるんではないでしょうか。下腿の二本の骨を締めたら、しゃがめるようになる人もいます。腰椎に動きがつけば、前屈ができるようになる人もいる。そういう技が色々あります。
「整体」の名前は古い?
整体は、ただ身体がゆがんでいるから、それを整えるという技術ではない。むしろもっと積極的に「楽に動けるようになる方法」ではないでしょうか。そう積極的に打ち出すのがいいんじゃないかと、そんなことを考えました。
そうすると「整体」という名前が適当ではないですね。楽に動くように工夫する方法なので、「動楽法」というのはどうでしょうかね。そんな道楽者のような名前を付けるのは、あなたの勝手です、と言われてしまいますね。と言って「楽動法」というのは、どこかにありそうだしね。どんな名前がいいのか、皆さん考えてみてください。「整体」という名前はウィキペディアで否定的なことを書かれていて、もう時代に合わなくなっているんじゃないか、別の名称に変えた方がいいんじゃないか、と考えています。
( 2013. 10 初出 )