夜中の水分不足
夜中にどれだけ水分を失うか
8月。 ああ、あつあつ、暑い暑い、暑いですね ── 奈良の人たちは毎日そう叫んで生活しています。奈良に限らないかもしれません。先日は京都へ行く機会がありましたが、京都は奈良よりさらに暑かった。奈良は大きなビルや工場が少ないですが、京都は色々な施設が密集していますから、全体が都市気候になっているのでしょう。きっと寝苦しい夜を過しているに違いない。目覚めて気がつくと、寝間着がぐっしょりと濡れているかもしれません。
夜中にどれだけ水が出て行くのだろうか。自分の身体で測ってみました。寝る直前に体重を測り、朝起きてトイレに行って、その後測ってみたわけです。すると正味1キロの減少でした。一晩で1リットルの水分が身体から出ていっている。ある人にこの話をすると、いやいやもっとですよ ── という人もいましたから、若く新陳代謝の盛んな人だと、もっと水分が出て行くのかもしれません。簡単に測れることですから、一度ためしに測ってみられたらいかがでしょうか。あなたは一晩に何リットルの水を出しているか。
水分不足で関節が・・・
で、水分が減ってそれがどうした、と尋ねたい人もいるに違いありませんから、夜中に水が減るとどういうことが起きるかを探ってみることにしましょう。水が不足すると、絶対に欠かせない内臓に水が優先的に配られます。すると身体の末端まで配ることができなくなる。手足の指先だとか、あちこちの関節に来る水が少なくなります。すると朝起きた時に、あちこちの関節がギシギシすることになる。朝に腰が痛いとか、踵が痛い、どこそこが痛いとかいうのは、この種の水不足だろうと考えます。
以前から言っているように、手指の第一関節に来る水が不足すると、ここが硬くなってきます。「ヘバーデン結節」という現象が起きる。でも、それだけかと言えば、そうではないらしい。十分に水が来ている時にも第一関節が硬い人が多いんです。指先を知らぬ間にぶつけたりすることが多いからかと思うのですけれど、本当のところは分かりません。第一関節が微妙にズレて硬くなるのかもしれません。特に指先の関節は左右にズレていることが多いようです。
手の指を第3関節から曲げるのではなく、第2関節から曲げてみてください。すると、指先が掌に届かない。無理に曲げると、やっと、という人が多い。こういう人はたいてい第1関節が硬くなっています。原因は、水分不足かもしれません。人の身体の水分は年齢とともに減っていくそうですから、水を十分に供給しておかないと早く老けるかもしれない。
サプリより水を
もちろん身体の各所がむくむほど水分を採ると、かえって具合が悪いので、そこは程度というものがあります。無闇に飲めばいいというものではないでしょうけれど、少なくとも関節の動きが悪くならない程度には水をとっておくことが必要でしょう。膝が痛いからと、何とかいうカタカナ名称のサプリを摂っている人が多いかもしれません。しかし本当に効くという証拠があるわけではありません。水を多めに飲む方がよく効くのでは、と考えます。
特に水分が減っている朝にコップ一杯の水を飲むのは理にかなっています。腰が痛い、どこそこが痛いという前に、少し水を増やせばどうでしょうか。整体に出かける前に、水のことを考えてみてください。出かけなくて済むかもしれませんよ。
( 2013. 08 初出 )